バイクに乗せてもらった私の眼球は歪んでいたでしょう。

高校生の時でした。

 

寝坊して、いつもは自転車で行くのですが、その日はバス停でバスを待っていました。

 

バイクが、でかい音でやって来て私の目の前に泊まりました。

 

バイクを運転していたのは私の幼馴染でした。

 

彼はヘルメットを脱いで、笑顔で言いました。

 

「乗れよ、学校だろう?」と。

 

私はバイクの後部にまたがりました。

 

彼はその途端に急発進しました。

 

張り切ったのでしょう。

 

爆音とともに私は後ろにのけぞりました。

 

落ちるんじゃないかと思ったほどです。

 

彼は私を乗せてすっとばし、8Kmの距離をあっという間に疾走しました。

 

正直、恐怖でぶっ飛びそうでした。

 

二つ目の経験です。

 

やはり高校時代です。

 

私もメンバーだったバンド仲間でドラムが叩けるメンバーを探しました。

 

新しくスカウトしたドラムスは吹奏楽部のテクニシャンでした。

 

私たちは嬉しくて練習が一層楽しくなりました。

 

ある日、夏休みに、あるステージで演奏することになりました。

 

人前で演奏する機会は滅多にありませんでした。

 

私は練習スタジオから会場まで、ドラムスのYのバイクの後ろに乗って移動することになりました。

 

125CCのバイクの前でYは私にヘルメットを手渡しました。

 

スタートし見通しの良い道に出た途端、ものすごいスピードで走るのです。

 

ヘルメットはごつごつとぶつかるし、風圧で目の表面が歪んでいる感触でした。

 

初めての経験でした。

 

やはりあっという間に目的地に着きました。

 

この二回の経験で、私の心の中に、バイクはおそろしい、という意識が刷り込まれたのだと思います。

 

ぶっ飛ぶ快感は分かるのです。

 

車を買う前に50ccの原動付自転車にちょっとの間だけ乗ったのが、私のバイク運転体験なのです。